二本目。
前回、最初からライカでフィルム撮影をはじめたと書いたのですが、今回は一眼レフ「Canon New F-1」について。
フィルム一眼で最初に手に入れたのがこれ。当時、デジタルではSony α7IIを使用しており、常用レンズとしてCanon New FD 50mm/1.4を使っていましたが、その描写、サイズ、使い回しの良さから、FDマウントのボディに興味がでてしまい購入。80年代のプロ仕様カメラということもあり、かなり堅牢な一方でボディがかなり重く、かばんにα7IIと一緒に入れて移動するとかなりの重労働。この頃、フィルム撮影に慣れてきたことと、そのF-1が露出計もきちんと動作していこともあり、自室での撮影や、近所に高台の公園、大きな河があるため、散歩しながら撮影して歩いていました。ちょうど時期も春だったので、川沿いの草花や桜も撮影では、写りがよいと定評のFDレンズで気持ちよく撮影ができていました。今は残念ながらFDレンズは手元にないのですが、いまだに好きなレンズです。
目次
友人の結婚式をフィルムで撮る
そしてその頃、デジタルではα7II(これはこれで実にスキのない名機ですが)を愛用していたのですが、おそらく金欠だったのか・・思わず手放してしまい(自分の人生こんなんばっか・・・しかもあとでまたα7II買いなおしてるし・・後日記載予定)写真に関して露頭に迷っておりました。この一時期はフィルムカメラしか所持していない珍しい期間となりました。
ちょうどこの頃、友人の結婚式がありました。なぜこんなシャッターチャンスが多い機会を手軽にデジタルでの撮影できないのか・・・。自分のバカさ加減を悔やみましたが、このCANON F−1で乗り切るしかない。フィルムで結婚式の撮影に挑みました。事前にフジの業務用100やコダック200あたりを複数本用意。少し曇っている日で、室内メインでもあったので懸念しましたが、結果的には成功していたと思います。現地のカメラマンからも「渋いですね」と言われました。若干浮いてる気がしたのは気のせいかもしれません・・。
CANON F-1について
ちょっとCanon New F-1の概要をお話します。いわずとしれた80年代を代表する名機で、当時のCanonのフラッグシップでした。とにかくプロの仕様に耐えうる堅牢な作り、高性能で、アクセサリーの交換で各種カスタマイズができるシステムを持っていました。
当時、なぜこの機材に興味が湧いたのか覚えていませんが、もともとデジタルでFDレンズを愛用しており、ボディに興味を持っていたこと。その上でフィルムカメラ特集の雑誌かなんかでおすすめされていた、といったところでしょうか。物欲の悪循環と探究心の間で翻弄される非常に人間的な一コマかと思いますw。
購入は、某老舗カメラ店。外観に傷は多めだが、全体の動作はきちんとしている。露出計も動作。購入したあと駅前の喫茶店で持参したFD 50mmレンズを装着してみる。しっくりとくる外観、そしてフィルムを装填し、1枚シャッターを切る。今ほどフィルムやってる人をみかけることが少なかった頃、店内で1人でドキドキしながら、そしてちょっと誇らしい気持ちになりながら黒い塊を手に悦に浸る、誰も気にしてないのに。フィルムの装填は、銃に弾丸を込めるのに似て、軽い興奮を覚える。もちろん平和主義ですが、一種の変態性にめまいを覚える。あとでその時の現像が上がってきて、ニヤリとする。フィルム1枚目独特の途中で焼けたように切れている写真。個人的には、フィルム1枚めの、この切り取られた感じの写真が好きだ。
その帰り道、電線や住宅の軒先の草花、工事現場、その後遺体が発見される公園(実話ですよw)の池などを撮影して帰宅。F-1の巻き上げレバーはそれほどよい音ではないと言われるのですが、個人的にはあの「ギリギリギリ・・カチ」という音、感触が黒く重たいボディと相まって撃鉄を起こすみたいに思えて、撮影意欲がわいていました。カメラは道具としての、道具性のようなものが如実にでると思っていて、使っていて、人をその気にさせるというのがよくわかる機械だと思います。そのあたりが趣味性の高さとでもいいますか。自分の親も茶道やったり花道やったり踊りやったりと趣味人なのでその血を受け継いでいますが、どういうその気にさせる道具に敏感なんですよね。そのあたりが後のライカへと繋がっていくのかもしれません。
ちなみにヤフオクで最初に手に入れたレンズは旧FDの50mm f1.4。格安でしたがカビ跡があり最初こそ残念に思いましたが、α7IIなどのデジタルでの写りは異常によく、このブログのTOP画像は実は旧FD+α7IIで撮影したもの。場所は二子玉川の奥地にある静嘉堂文庫の池です。