幾度目かの正直、Leica CL

Leica CL+Elmar35mm F3.5

というわけで、「Leica CL(ライカCL)」を入手しました。

こちら当然のようにフィルムの方のCLでして、もう何台目なのか、と思ってしまいますが今回再度入手することができました。

元々、入手予定はなかったのですが、最愛のライカM6ブラックを手放したあと、ライカDIIIでほそぼそとやっていくんだと固く誓ったものの、やはりどこかでM型、Mマウントへの気持ちを捨てきれずにいました。
あと現実的な話をするとライカDIIIはとても調子がいいのですが、古いものなので壊れる可能性もあると。それに今はどこの修理業者もかなり立て込んでおり、数ヶ月待ちは当たり前になってしまっているので、そういった場合を想定して代替機がほしいなと思ったのも理由の1つです。

最初は特にCLを物色していたわけではなく、値段の安いライカIIIcなどを物色していました。予算的には2〜3万あたりでしょうか。
そんな中、たまたまオークションでこのライカCLに目が止まり入札。結果的にはかなりの低価格で購入することができました。

出品コメントもあまり熱もなくそれほど熱心なアピール文もなく、淡々としたものでしたが、写真などから見るとかなり美品に見え、値段的にも一か八かという感じではありましたが、最悪失敗してもリカバリできる値段だったこともあり、手を出しました。

そして結果ですが、おそらく大当たりを引いたということになるかと思います。
外観はこれといった大きなキズや汚れもなく、よくあるファインダークモリもなく視認性は良好、それに一番気になるメーター(露出計)も問題なく動いています。よくあるのは外観美品でメーター不動という感じですが、これは外観も機能もバランスよく実用できる状態でした。それに個人的に驚いたのはシャッターです。巻き上げとシャッターのフィーリングが非常にいい。あと言えるのは、フィルム室もきれいだし、巻き上げのプラも割れていない(あとからよくみたら割れありました。自分の使用で割ったかもしれません・・・)。かなり状態がいいと言わざるをえないです。

明記されていませんでしたが、おそらく業者か慣れている素人によるオーバーホールがされているなと感じました。少なくともファインダー清掃とシャッター調整はされているのではないかと感じました。シャッターフィールの良さは、個人的にはCLにもとめていませんが、高速から低速まで問題なくきれており、心地いい音がしています。メーターは業者へ依頼すればまだ治る場合もあるものの、わりと動作品もまだあるので、おそらく普通に過去から動いていたのだと思います。

久々に当たりくじを引いて非常にご満悦ですが、これに伴いまたしても関東カメラさんのMR-9アダプターを購入。正直、5、6回かってますw。だいたいライカCLかローライ35Sなどで毎回買ってしまう。手放すとき付けて売ってしまうんですよね。

さて、ライカCL。
Mマウントでありながら、正統派の本流から外れた存在として際立っています。以前にもminoltaものと通常のCLとご紹介しましたが、仕様についてはいわずもがな。この小型サイズでMマウント、おまけにメーター付き。ちゃんシャッターも1000まである。もうこれでいいじゃんと思わせてくれます。個人的にはサイズといい機能性といい一番好きなライカかもしれません。とはいえ、たしかに通常のM型より、作りもチープですし、繊細な感じがしますので、手荒に扱うと断線してメーターが壊れそうとか、シャッターがおかしくなりそう・・・といった感じもします。そのため気にせず振り回す、という感じにはなりません。(このちょっと手荒に扱っても気にせず使えるという点ではライカM6が一番だと思っています)。ライカCLは例のフィルム装填時に巻き上げのプラが割れやすいなどもあるので、そういった点でも気をつかいそうです。

一方でこのサイズ感、それに縦吊りの見た目など、他にない魅力があります。そういえばシャッターも横走りじゃなく縦走りというのも他にない仕様ですね。ちょっとやわそうには見えるものの、中身に精密感や動作はさすがにLeitzの設計なので、所有感はあります。
私けっこうこのライカCLが好きでして。できればこの仕様でさらにブラッシュアップして剛性感のあるボディが出てたら神なんですが。あと個人的にはファインダーが40mmというのは気にしたことありません。だいたい35mmか50mmのレンズ付けてとっています。
元々最初に手に入れたminolta版はメーター不動でしたが、当時フォクトレンダーの50mm F1.5のLマウントのものを付けて使っており、とてもいい絵が撮れていました。そういった最初の経験から好印象な機体で、これまでも何度か手に入れてきた感じです。

そんなわけで未練がましくM型を入手しており、ライカレンズはもう購入はむずかしいですが、フォクトレンダーなどのMマウントもあるので、まだやれるなと思っています。

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ライカCLふたたび。

突然ですが「Leica CL(ライカCL)」を手に入れました。

leica_cl_front
Leica CL

といってもAPS-Cデジタルの方ではなくて、50年近く前に発売されたフィルム機になります。以前このブログで「Leitz Minolta CL(ライツミノルタCL)」について触れていますが、外観、機能ともにそれと同じものになります。今回のものはライカ社が海外で販売していたバージョンで、ロゴが「LEICA CL」とシンブルに記載されています。

Leitz Minolta CL、LEICA CLについて簡単に触れますと、70年代、日本のカメラメーカーの一眼レフの躍進もあり、レンジファインダー式カメラも時代遅れとなり、経営が傾きつつあったライカ社が日本のカメラメーカーMINOLTAと提携して作成したコンパクトカメラです。ライカ社が設計し、製造をMINOLTAが行い販売していました。製品名称は日本版と海外版で上述のように異なりますが、73年から数年ほど販売されていました。この前後にライカ社もいろいろあったので、仕様としても製品コンセプトとしても過渡期の製品と言えるかと思います。このあたりの歴史や製品ラインナップの流れを見ると多くの視点から語れるためすごく面白いのですが、まぁ普通は興味ないですよね・・。

コンパクトなライカCLですが、なかなか凝った仕様になっています。ライカ社がはじめてカメラに露出計を搭載したのはライカM5からですが、その仕様を踏襲しコンパクトサイズにした野心的な作品。個人的に思うのは、メインのM型とは別軸でうまくこの路線を次世代に引き継げなかったものかと悔やまれます。サイズがM型より一回り小さくなった上に距離計、露出計も搭載していて、それで伝統的なMマウントが使用できます。この仕様ほしいんですよ。他に人気の小型カメラといえばローライ35ですが、よく惜しいと言われるのは距離計がついていないこと。露出計よりむしろ距離計をつけてくれと言われることもあります。カメラの機能は痛し痒し。しかしこのライカCLは小型な上に距離計も露出計もついている。しかもMマウント。これは完璧。とはいえ、小型化したことで微妙に距離計の精度はそこまで高くないとのこと。専用レンズとしては40mmのレンズが用意されている。

また露出計の仕様が独特で、内部に巻き上げと同時にアーム状の枝が出てきてそこに受光セルが設置されている仕組み。これにより一部、レンズ後部が長いレンズは使えないなどの制約がある。それに仕方ないことですが、現在手に入る機体の多くが露出計が壊れている。

さて、いつも通り前置きが長いですが、自分が手に入れた個体は、外観こそ経年なりの傷がある状態ですが(巻き上げのプラが割れて補修されています)、露出計が動きました。以前持っていたLeitz Minolta CLも露出計は不動。当時は怖いもの知らずで感露出で対応していましたが、いつまで正常動作するかはさておき露出計が動作するのはとても便利。

leica_cl_summicron35
Summicron 35mmを装着したところ

とりあえずは露出計をテスト

最初、入れてみたのは常備していた1.5Vのボタン電池(P625Uという形が特殊な電池)。この場合、電圧的に露出がオーバーしてしまうため、人力で補正して撮影しましたが、結果はアンダー目でした。ライカCLやライカM5は1.35Vのマイナーな電池を使うため(現在は廃盤の電池)、現在主流の1.5Vのものだとコツがいります。そのため関東カメラさんから出ている変換アダプターをあとで購入しました(これ買うの4回目くらいだよ・・)。これで1.35V変換になるため試したところ、露出精度も問題なく使えることが判明しました。これは非常にラッキー。

またCLは、ライカ5と同様にファインダー内でSSと露出が確認できるのでファインダーから目を話すことなくSS変更などが行え便利です。最初、久々にこのタイプのファインダーだったのでクセが掴みづらく、失敗写真を数枚出しましたが、今は慣れてきました。しかし適正露出でCLが使えるのは結構レアなことなので、これはとてもありがたい。

40mmレンズはもっていない

現状の使用レンズはSummicron 35mm ASPHです。CLのブライトフレームは基本40mmですが、35mmだとそこから一回り大きい範囲が撮影されることになります。しかしそこまで厳密にフレーミングしないため、このあたりはあまりこだわりありません。また意外だったのはファインダーがきれいなこと。この年代のカメラはこれまで何台か使ったことありますが、流石にOH済とかでなければファインダー汚れは多少あるのですが、このCLはあまりチリもなくきれいです。ただし外側から覗くと、白いカビなのか劣化なのかわからないものがたくさん付着しており、きれいには見えないのですが・・・パット見は分かりづらいし、実害はないのでよしとします。

Leica_cl_finder
汚れやゴミがなくきれい(右側の縦ラインが露出計)
Leica_cl_finder2
側面のところが白く濁っているのがわかる

このサイズ、機能、これでいいのでは?

しかしライカCL、その出自からメインストリームから外されたり、M型の歴史の中に出てこないことすらあるのですが、小型でMレンズ資産を活かせて、機能もすべて揃っているということで、M型のサブ機として、またはお散歩カメラとしてとても重宝するカメラだと思います。実はM型ライカを2台も持っていながら、両方とも同じ時期に壊れてしまい現在O.H中。1台で使っていたとき、これが壊れたらサブがないということで2台目を手に入れたのにこんなことになろうとは。その経緯もあってCLを手に入れましたが、撮影結果をみても十分に使えることがわかりました。最初はピント甘かったりするかなと思いきやあまり問題なさそう。若干この機体はオーバーインフしているようですが、近距離でピントあってるので今のところ問題なし。確かにもう50年近く経っているため、露出計の精度や破損も怖いし、シャッターまわりも使ってて急に壊れる(修理中のM4がまさにそれ)ってことも想定できますが、しばらくは、少なくとも2台が戻ってくるまではCLをメインに使おうかなと思います。

leica_cl_with_lux50asph

少し今回冗長に書いてしまいましたが、ライカCLは書き出すと、縦吊りストラップのファッション性とか、いろいろ書きたいこと出てきてしまう。特に仕様としてはライカM5とCLくらいが、ライカでは珍しい仕様といこともあって書くことがたくさんあります。とりあえずは寝かしていたMレンズを活用できるようになったのが嬉しいです。

以下、少しですが作例を置かせていただきます。ほとんどがズミクロン35mmでの撮影。最近カラーネガ現像が非常に安定してきているので、そのあたりも個人的にはポイントですw。最近は3分25秒あたりで現像しています。

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