海外旅行への写真フィルムの持ち出しについて(インドネシア編)

書きたい内容がたくさんあるのですが、このあたりでこれに触れておかねば期を逃すかな・・・と思われる話題(期ってなんだ)。

海外旅行での写真フィルム撮影、写真フィルムの持ち出しについて。

インドネシア編とかいっといて、別の編はあるのかないのか(うん十年ぶりにパスポートとったので)。

ちょっと前にどなたかのTwitterでお見かけして自分も気になったのですが、世相を反映してか、海外の空港でのX線装置が強化されているとのこと。昔の装置であれば数回程度のX線通過で写真フィルムが駄目になるということはなかったそうですが、最新の装置では一発アウトになる可能性があるとか・・。フィルムの紙の外箱には多少のX線は大丈夫と書かれていたりもするのですが、昔から書いてあったようにも思うので、今は基本NGと考えておいた方がいいのかなと思います(現行フィルムもあるわけですし、文化に対してセキュリティとのジレンマかなと・・・)。フィルム写真が趣味でない方からはデジタルでいいじゃんって言われそうですが・・・そうじゃない、そうじゃないんだよ・・・。
空港職員のハンドチェックを断られることも増えたといったエピソードも聞くようになりました。もちろん人や国、情勢によりますが。

フィルムカメラ持ってインドネシア、バリへ

さて本題。私は2019年8月にインドネシア、バリへでかけました。フィルム約15本とライカM4を持っていきました。またデジタルはライカM-P(typ240)を持参しました。本記事では写真フィルムを持って海外へ行ったときのエピソードを記載いたします。ちなみにレンズは Summilux 50mm asph、Summicron 35mm(7枚玉) を使用しました。レンズの詳細も後日書こうかなと思いつつ、ボディの話を先に書く予定です。

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また持ち込んだフィルムは以下にあげたものになります。Kodak Proimage100、Kodak Ektar100、ILFORD DELTA100、富士フイルム ネオパン 100 ACROS、オリエンタル NEW SEAGAL 100。個人的には Proimage100 好きなんですよね。

<出国時>
・出発:羽田空港(東京)
・経由地:クアラ・ルンプール国際空港(マレーシア)
・到着:デンパサール国際空港(インドネシア、バリ州)

<帰国時>
・出発:デンパサール国際空港(インドネシア、バリ州)
・到着:成田空港(東京)

行きがマレーシアでのトランジットがあり、その分、多くの関門を突破しなければなりませんでした。事前に想定していたイメージとしては、羽田、成田は国内であるため、行きも帰りもおそらくハンドチェックで問題なかろうということ。ここは結果的に想定通りでした。そして気をつけるべきは海外空港の手荷物検査。

といっても特に特殊なことはなくて、とにかくフィルムは手荷物に含めるということと、空港職員にハンドチェックを依頼する、という2点が中心です。しかし、相手の空港職員がこちらの言うことを聞いてくれるかどうかはその時次第。アンコントローラブルな部分となりますが、うまくコミュニケーションすればある程度対応してくれそうです。

空港で私が対応したこと

まずは搭乗時。手元に持って搭乗する「手荷物」にフィルムを含めます。航空会社により持ち込める手荷物のサイズ、重量に制限があるため注意が必要かもしれません(フィルム程度ならそこまでかさばりませんが・・)。
預け荷物にしてしまうと、航空機への積荷する際に、より強力なX線を通されてしまうためフィルムが駄目になる可能性が高くなるとのことでした。

事前準備として行ったのは、料理用のジッパーのついたビニール袋を用意し、写真フィルムをプラケースから出した状態で入れることでした。フィルムの海外持ち出しで調べると、プラケースに入れたままだと検査時に1つ1つプラケースを明けてチェックされるので時間がかかる、という内容が散見されました。空港職員も手間かかると面倒がってX線を通されてしまいかねないので、あえてプラケースから出して入れました。フィルムにゴミがとか、空気に触れてしまうとかありますが、X線よりはマシだと割り切りました。また相手も明らかに中身が見えているものまでは、パッとみて理解すればそのまま通してくれるのでは、と想定しました。結果的にそれは当たっていたように思います。

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では実際の検査時、検査ゲート前に並び、ベルトコンベアに荷物をおいていくわけですが、並んでいる間に声をかけるべき職員めぼしをつけました。手前側に職員がおらずゲートの奥にいる場合もありましたが、手前にいる場合は事前に声をかけてフィルム袋を渡して説明しました。奥にいる場合は声をかけるタイミングを待ちました。

フィルム袋にはあらかじめ大きめな紙のシールを貼っておき(付箋のようなシール)、そこに英語と現地語(このときはインドネシア語)で「Hand inspection, please」とマジックで書いておきました。袋を渡すときも口頭で「Hand check please」と伝えました(検査はinspectionが正しいのですが、口頭ではCheckという言い方でもよいのではと思います)。ただ袋を手渡してみると、一瞬怪訝そうな顔で袋を眺めるのですが、文字を読んでる感じはなく、わかってる人はOKOK的な感じのリアクション。よくわかってない人は怪訝な顔で奥の上司?他の職員にみせて何か確認した上でゲートの向こう側にもっていって、検査後に渡してくれました。

袋詰めにしたフィルム

結果的に、今回の旅では、一度もフィルムはX線を通さずに通過することができました。
ただしちょっと注意が必要だったのは、経由地のクアラ・ルンプール国際空港の入国時と出国時。最初、ハンドチェックプリーズということで渡したのですが、大丈夫大丈夫というようなリアクションで、そのままベルトに載せろといわれました。ここは一応粘ってもう1度言うと、渋々目視でチェックしてゲートの奥まで持っていきました(そこで別の上長らしき人が再度、袋の中身をちょこちょこ見ていました)。ゲート通過後、声をかけるとさっと渡してくれました。
また、もう一回ゲート通るときは、口頭で言って手渡したのですが、無言でそのままベルトコンベアに袋を戻されました。直前で嫁が気づいて職員に強めに「ハンドチェック!」といったら受け取ってX線を通さずにすみました。特に感情的なコミュニケーションはなく、相手も終始無表情ですし、こっちも普通に何度か言えば伝わる、という感じでした。
こういう場合、2、3度言って向こうが頑なにX線通せといったときはあきらめて従うことにした方がよさそうです。あまり変な態度を取ると別室に連れて行かれて詳しく検査される場合もあるようです。国により情勢が異なるため難しい点かもしれません。観光客が多い国では、政情が不安定でない限り、おそらくフィルムの持ち込み程度は問題ないのではと思いました(あとは空港職員による・・・)。
ちなみに、インドネシア(デンパサール国際空港)では、入国時も出国時もわりとスムーズでした。フィルム袋を渡してちらっとみるとすぐOK出ました。たまたまかもしれませんが、そこまで気にしてる感じはありませんでした(経由地からの便は、そもそも経由地でチェック受けてるはずなので、それで安心しているのかもしれません・・・あまり海外経験ないのでわかりませんが・・)。

以下、バリの現地で撮った写真ですが、現像上がってきたとき、「勝ったな」と思いましたw。空の青がきれいにでてる、それだけでもいい思い出になりました。




「Canon New F-1」とても使いやすかった記憶

二本目。
前回、最初からライカでフィルム撮影をはじめたと書いたのですが、今回は一眼レフ「Canon New F-1」について。

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フィルム一眼で最初に手に入れたのがこれ。当時、デジタルではSony α7IIを使用しており、常用レンズとしてCanon New FD 50mm/1.4を使っていましたが、その描写、サイズ、使い回しの良さから、FDマウントのボディに興味がでてしまい購入。80年代のプロ仕様カメラということもあり、かなり堅牢な一方でボディがかなり重く、かばんにα7IIと一緒に入れて移動するとかなりの重労働。この頃、フィルム撮影に慣れてきたことと、そのF-1が露出計もきちんと動作していこともあり、自室での撮影や、近所に高台の公園、大きな河があるため、散歩しながら撮影して歩いていました。ちょうど時期も春だったので、川沿いの草花や桜も撮影では、写りがよいと定評のFDレンズで気持ちよく撮影ができていました。今は残念ながらFDレンズは手元にないのですが、いまだに好きなレンズです。 

友人の結婚式をフィルムで撮る

そしてその頃、デジタルではα7II(これはこれで実にスキのない名機ですが)を愛用していたのですが、おそらく金欠だったのか・・思わず手放してしまい(自分の人生こんなんばっか・・・しかもあとでまたα7II買いなおしてるし・・後日記載予定)写真に関して露頭に迷っておりました。この一時期はフィルムカメラしか所持していない珍しい期間となりました。
ちょうどこの頃、友人の結婚式がありました。なぜこんなシャッターチャンスが多い機会を手軽にデジタルでの撮影できないのか・・・。自分のバカさ加減を悔やみましたが、このCANON F−1で乗り切るしかない。フィルムで結婚式の撮影に挑みました。事前にフジの業務用100やコダック200あたりを複数本用意。少し曇っている日で、室内メインでもあったので懸念しましたが、結果的には成功していたと思います。現地のカメラマンからも「渋いですね」と言われました。若干浮いてる気がしたのは気のせいかもしれません・・。

CANON F-1について

ちょっとCanon New F-1の概要をお話します。いわずとしれた80年代を代表する名機で、当時のCanonのフラッグシップでした。とにかくプロの仕様に耐えうる堅牢な作り、高性能で、アクセサリーの交換で各種カスタマイズができるシステムを持っていました。
当時、なぜこの機材に興味が湧いたのか覚えていませんが、もともとデジタルでFDレンズを愛用しており、ボディに興味を持っていたこと。その上でフィルムカメラ特集の雑誌かなんかでおすすめされていた、といったところでしょうか。物欲の悪循環と探究心の間で翻弄される非常に人間的な一コマかと思いますw。

購入は、某老舗カメラ店。外観に傷は多めだが、全体の動作はきちんとしている。露出計も動作。購入したあと駅前の喫茶店で持参したFD 50mmレンズを装着してみる。しっくりとくる外観、そしてフィルムを装填し、1枚シャッターを切る。今ほどフィルムやってる人をみかけることが少なかった頃、店内で1人でドキドキしながら、そしてちょっと誇らしい気持ちになりながら黒い塊を手に悦に浸る、誰も気にしてないのに。フィルムの装填は、銃に弾丸を込めるのに似て、軽い興奮を覚える。もちろん平和主義ですが、一種の変態性にめまいを覚える。あとでその時の現像が上がってきて、ニヤリとする。フィルム1枚目独特の途中で焼けたように切れている写真。個人的には、フィルム1枚めの、この切り取られた感じの写真が好きだ。

購入後の帰り道、喫茶店にて

その帰り道、電線や住宅の軒先の草花、工事現場、その後遺体が発見される公園(実話ですよw)の池などを撮影して帰宅。F-1の巻き上げレバーはそれほどよい音ではないと言われるのですが、個人的にはあの「ギリギリギリ・・カチ」という音、感触が黒く重たいボディと相まって撃鉄を起こすみたいに思えて、撮影意欲がわいていました。カメラは道具としての、道具性のようなものが如実にでると思っていて、使っていて、人をその気にさせるというのがよくわかる機械だと思います。そのあたりが趣味性の高さとでもいいますか。自分の親も茶道やったり花道やったり踊りやったりと趣味人なのでその血を受け継いでいますが、どういうその気にさせる道具に敏感なんですよね。そのあたりが後のライカへと繋がっていくのかもしれません。

ちなみにヤフオクで最初に手に入れたレンズは旧FDの50mm f1.4。格安でしたがカビ跡があり最初こそ残念に思いましたが、α7IIなどのデジタルでの写りは異常によく、このブログのTOP画像は実は旧FD+α7IIで撮影したもの。場所は二子玉川の奥地にある静嘉堂文庫の池です。

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