ライカM-A typ127、古風×最新のレンジファインダーフィルム機。

ライカM-P(デジタルの方)を入手し、フィルムではライカM4を入手し、それを持って海外にも行き、まったくもって満足していましたし、自分としても納得できる写真も撮れていました。趣味の範囲での話ではありますが、もう十分だと思っていました。

でも安定してしまうと、人はなぜかそれを壊したくなるw。
持病の発作が起きました。
「最新のフィルムライカはどうなんだろう・・・」。

人類の飽くなき探究心が今の発展を生んだのだとすると、私もまたその系譜に寄与しなければならない運命なのでした。
とはいえライカMP(M-PとMPでデジタルとフィルムを区別しますね)は現在高騰しており、さすがにもう手が出ない。一方、ライカMAなら頭数は少ないが、少しだけ相場が低い。(数が少ないので場合によるんですけどね、高い場合もある。)

でもね、走り出した青春は止まらない。もう頭がおかしくなっている・・・。今、ライカM4を使っているので最悪、露出計はなくても対応できる。

・・・ということで「Leica M-A typ127(ライカMA)」を入手しました。正直、結構あぶない橋渡ってると思う・・・。

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silverの質感、革の手触りもいいです

美品として入手したライカMAですが、最初にフィルム1、2本の撮影を終えて現像したところ、なんだかボケている。M4で得られるシャープさがありませんでした。
・・・これが最新機種の実力?いや、他の作例をみてももっとシャープなはずだ・・・。レンズの調子も疑いましたが、現行Summicron 35mm ASPHですし、購入間もないためレンズの不調は考えにくい(しれっとレンズがASPHになっている汗)。最新のASPHがフィルムと合わないのだろうかとも思いましたが、現行でフィルム機出しているメーカーがそんなことあろうはずもなく、さまざまな疑問が頭をよぎりました。
最初に疑うべきとは思いますが・・・行き着いたのは「距離計のズレ」。確かに無限があっていないように見える(オーバーインフというやつです)。最初にこれを疑わなかったのは、過去に使用してきたカメラでこれに出くわしたことがなかったのと最新ライカMAでそれが出ると思わなかったため。(昔M5で若干タテズレはみたことあります。)
ちょうどその頃、久々に旅行の予定があったため、それまでには調整しようと銀座ライカに持ち込みました。約1.5時間ののち、3千円の料金で調整が完了。はやり距離計がずれていたとのこと。同時に預けたSummicron 35mm ASPHは問題なし。これで気分よく旅行に行ける。

そして旅行先の熱海へ。
ライカMAのシルバーを選択した理由は、元々もっていたM4との違いがフィルム巻き上げ部のみで、まったくカメラに興味のない嫁に機材がすり替わっているのを気づかれないためです。
熱海の旅はとても気持ちのよいものでした。ずっと雨予報だったのですが、行ってみたら最初少し曇っていたものの、途中から晴天になり、上着のコートを脱いだほど温かい。有名な商店街、レトロな街なみ、趣ある裏通り、おしゃれな喫茶店、そして東洋のモナコとして名高い海岸通り、マリーナ。少し外れにあるため安かったホテルも思っていたほど遠くなく、眺めもいい、それに温泉もありました。
ちなみに、熱海駅の裏側の、静かな坂を登っていくと斜面に住宅街があり、その坂のあたりはネコがワラワラいて猫写真を撮りたい方はぜひ訪れてみてください。かなりの数の猫がウロウロしています。(カラーは現像しくじったので色がおかしいです。)

ライカMAの使用感としては、現行品の外観のきれいさは格別で、シャッター音も小気味良いものでした。またチリのない見やすいファインダー、鮮明な二重像は、過去にオールドばかり扱っていた身としては新鮮な体験でした。細かい外観の作りで言えば、裏蓋の枠の部分のマッドな仕上げはとても質感がよく手触りがいいです。また本体の革の質感も手に馴染むものでとてもきれいです。モノとしての良さはとてもすばらしい。本当にこれで最後のフィルム機だなと感じていました。

そして、旅行から帰宅していざ現像したところで、なぜかまたぼやけている・・・。これが短期間しか手元に置かなかった理由ですが、どうやっても以前M4+7枚玉Summicron 35mmで撮れていた感じのシャープなものが撮れませんでした。以前はオールドの7枚玉で撮影していましたが、最新のASPHになって逆にぼやけるのは考えにくい。ぼやける理由が見つからない。(カラ現は確かに自分でミスったんですが・・・)

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残念なことに、ここで急に熱が冷めてしまいました。調整するなり、色々調べるなりすればなんとかなったのだとは思いますが、気持ちが萎えてしまい、まだ手元にあったライカM4をメイン機に戻しました。そしてライカMAは売却。
思ったのは、最新のライカであるがゆえに正規のメンテが受けられるわけですが、そこに非常にお金かかる。以前、正規店舗にライカM5のメンテを相談したところ、ドイツ送り、数ヶ月待ちで25万と言われたことがあります。またライカへ持ち込んで、ドイツ送り、3、4ヶ月待ちで費用が十数万と言われたら・・・もう厳しいと。
一方、オールドであれば都内に何件かある評判のよいリペアへ持ち込んで、O.H.で数万程度。悔しいですが貧乏人の算用です。当然の対価、必要な投資とは思いつつ、私には維持できないなと。

その後どうしたかというと、ライカM10を購入しました(笑)。頭おかしいのはわかっています、自分でも。その代わりデジタルのM-Pとのさよならがありましたが。当面はM10とM4で、デジタル、フィルムに対応していこうと思います。この機材で当面は対応する予定なので、M10-PとかM10Mとか気になるものはあるものの(笑)、とりあえずライカの旅は終了です(M10の記事も書こうかなと思います。実はフィルム熱が上がっていてM10あまり使えてないんですけどね・・・)。

そして最後に、最近気づいたことがあります・・・。
上のエピソードからライカMAは良くない製品なのだろうか、もしくは私が入手したものがたまたまよくない個体だったのだろうかという点。ご検討されてる方は気になると思いますが、おそらく製品自体には当然問題ないですし、非常によい製品だと思います。質感もよくとにかく触っていて気持ちいとしか言いようがない、変態じゃないです。

裏蓋の質感がとてもよい

実は気づいてしまったんですが、現像でのぼやけ・・・あれはうちの現像液が古くなっていたのが原因ではないかということ。きちんと検証はしてませんが、うちの現像液、1年ほど前から使っていて、夏くらいまではシャープだったんですが、ここ最近現像したもの(去年の11~12月あたり)がどれもちょっと鈍いんですよね。そのため液のせいではないかというのが私の結論です。あぁつまらない理由で最高級のライカMAを売ってしまった・・・。一方でM10が入手できたのですが、なかなか割り切れないものですね、かなり高い勉強代を払ってしまった(M4が快調なのでその点は安心しています)。

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これで最後かな?ライカM4。やっぱり完成形はすばらしい。

なんだかライカ歴を紹介する内容になってしまっています。これまでいくつかのカメラを使ってきましたが、自分のスタイルにはライカが一番しっくりきているようです。周りにライカ使いの友人がいないので、使用感の共有もできず、人によっては成金趣味と言われてしまうかもしれませんが、多くの人が好んで使っているってことは、当然ながらブランドやステータス以外にも、使用感や携帯性、シンプルな操作での速射性など魅力があるわけです。

さて、いま私がメインで使っている「Leica M4(ライカM4)」についてです。

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ちょうど去年の年末、とても仕事が忙しく、具体的に何をしてたか記憶にないのですが、当時、確かFUJIFILMのTiaraか、Tiara IIあたりを使っていたのかな?(後日書くかも、面倒だけどw)。ライカM2を手放してしまい、その穴を埋めるように、手軽に撮影できる小型のAF機が欲しいと思い、日本製コンパクトフィルムカメラに手を出していました。ライカM2を売却した理由は当時の金策(こんな話ばっかり・・・)と、シンプルすぎるという点に少し飽きてしまっていたからからな(これも贅沢な話ですね)。M2は使い勝手もよかったし、ある程度雑な扱いをしても問題がないため、自分流に使いこなすには最適な機種でしたが手放してしまった。結局はそれを自分流に着こなして使い切るような「風流さ」が自分には欠けていたのだと思います。

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そんな中、またしてもレンジファインダー熱が出てしまいました(こんなことばっかりしてる・・・)。しかもその前後で、実は、これも頭おかしいのですが、名機Nikon F3などにも手を出しており、久々に一眼レフを触ったりもしていました。しかし一眼レフの大きさや重さ、シャッター音の大きさが自分には合わず、結局ライカに戻りたいと思うようになりました。
自分としては、金属の塊感のある機械類が好きで、それでいて小型で質実剛健というものを好む傾向があるようです。そんな経緯で、

やっぱりライカが好き(照)。なにいってんだこの人・・・。

私はこういうときの行動は異様に早い。すぐにM型ライカを物色開始。ライカM6は異常な値上がりで手がでなくなっていましたし、電気系統の故障は嫌だな・・・と、そうなると使ったことない「ライカ M4」に狙いを定めます。

あまりボロボロでなく、一方で値段が極端に高すぎず、それでいてちょっとしたステータス、少し個性が欲しい・・・。相変わらず欲張りです。 そこで作りがよいという噂のある120万台以前のライカ M4を探すことに。外観は実用重視なのでそこそこでよい・・・。それがありました!

数年前にO.H済みで動作はOKで、118万台(適度に初期もの、67年製)、外観は軍艦部、底部に多少のブライトマークありだが軍艦の文字消えなくきれいに表示され、グッタペルカ(バルカナイト?)の剥がれなし、裏蓋回りの塗装、状態もかなり美品、内部も金属の痛みが少なく、ファインダーもきれい・・・。こう並べてみると、かなり高望みな要望ですが、これをクリアしているものが破格の値段でありました。私は、自分を目利きだと思っている節があるのですが、こういうときのわりと外さないことが多いです。

早速入手して実写しました。これは「アガリ(最後)だ・・」と思えるものでした(後日追記:ぜんぜんアガリではありませんでしたw)。モノクロフィルムを入れて近所を散歩、シャッター、巻き上げなど使用感も問題なし。そして現像後、出てきた絵に感動しました。使用感と同じように意図した雰囲気で撮影できていました。私の感露出でもある程度問題ありませんでした。いつも使っているSummicron 35mmでイメージ通りのコントラストのよい写真ができました。夏前までは第3世代の7枚玉、夏以降は最新のASPHレンズを使用しています。(写りの好みとしては7枚玉の方が上だったかもしれません・・・。最近7枚玉、異様に値上がりしてるんですよね・・。)

フィルムの海外持ち出し(インドネシア編)で記載している通り、夏にバリへ行ったのですが、そこでも7枚玉Summicronで撮影。思ってたより涼しい気候でしたが、そこは常夏の島、強い日差しと南国の植物が作り出すコントラストは非常に美しいものがあり、気持ちよく撮影できました。一部、その記事と重複しますが、いくつかモノクロをピックアップ。

ライカ M4は、M型の完成形と言われていますが、確かにそう思います。非常に無駄の無いデザイン、機能性、使用感。クランク式のフィルム巻き上げもその後のライカ M6に引き継がれますが、使いやすいですし、フィルム装填も楽です。それにシャッターチャージ、レリーズも感触がよい。シャッター音も個人的にはとても満足。値段と使い勝手のバランスを考えるとライカ M4はかなりおすすめできると思います。世間でライカといえば「ライカM3」ですが、実は触ったことがありません。というのも広角35mm枠が使えないため、完成度の高さはなんとなく理解しつつも自分としてはM2以降の機種が好きです。
露出計については、当初すべて感露出で撮影していましたが、最近VoigtlanderのVCメーターIIを導入しました。これ付けると露出計を頼るようになり感が鈍るのであまり使いたくはないのですが、当然失敗は減るので使用しています。露出計に頼ると、いまの設定を確認したくなり、撮影のテンポが遅くなるのがデメリットです。気にしなければテンポと自分の感で撮れる。SS固定にして絞りの調整だけで同じ場面を2、3撮っておけば、まず空振りは防げる。とはいえ、なるべく適正露出で撮りたいとも思うので、ここは一長一短でしょう。

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フィルムライカはこのライカ M4で最後かな・・・(追記:まさかこのあとも続くとはね・・・)。やっぱりM型の完成形としてすばらしい。(まさかそのあとM-Aが来てまたおかしな方向へ行くとはね・・・ここでやめときゃよかったのに

最後にカラーフィルムで撮影したものを以下に掲載。一部、カラーでの自家現像をはじめて1本目、2本目くらいのものが含まれているのでとても粗いものも含まれています。私は自分で撮ったものを作品なんて呼ぼうと思っていませんが、どれも自分にとっては大事なワンシーン。意味は自分の中にだけあればよいかな、というのを言い訳にさせてください。(今年は台風の影響が大きく後半の数枚は台風が去って被害を受けたあとの多摩川近辺の写真。おそらく自家現像2、3本目あたりのフィルムかな。ちょっと荒いけど陰影はけっこう好きな感じ。)


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