Leitz Summilux 50mm f1.4 第2世代について

手元のライカレンズの紹介です。先日は最近入手した球面ルクスの35mmでしたが、今回はLeitz Summilux 50mm f1.4の2nd、第2世代のご紹介です。

Leitz Summilux 50mm f1.4 2nd
【美品】Leica/ライカ SUMMILUX-M ズミルックス 50mm F1.4 E43 ブラック二代ドイツ産レンズ 230号

実はこのレンズを入手するのは2回目です。以前、ブラックのM6を使用していた際にちょっと無理してこのレンズを手に入れたため、すぐM6ボディを手放すことになりました。そこからα7IIやM-Pなどで常用レンズにしてきたのですが、Summicron 35mm ASPHを購入するため7枚玉とこのLux50を一緒に放出してしてしまっておりました。

そこから紆余曲折あり、今回2回目の入手となりました。このレンズを手放してから妙に値段が上がり、もう入手は難しいかなと思っていましたがよい状態のものが手元にきてくれました。


【中古】 ライカ ライツ ズミルックス 50mm F1.4 ブラック ライカMマウント Leica Leitz SUMMILUX 中古交換レンズ 36101

60年代後半のものながら外観は美品

以前持っていたこのレンズは外観の塗装剥がれや、グリス抜けがあり年代相応の状態でしたが、レンズ面はノーメンテで使用でき、そういう意味では気にせず使えるため常用していました。今回入手のものは外観がかなりきれいでした。

表面、全体的にキズや塗装剥がれ、文字消えはありません。かなりリーズナブルに入手できたのでよかったです。2ndは入手しやすいところもあり最近も値段は高止まりしてますね。

文字の表示も明瞭です
GERMANYの文字に少しあこがれます・・

入手時、少し大きめのゴミが1点あり、実用には影響は少なかったものの、某リペアショップに依頼しレンズ清掃しました。同時にグリスアップもお願いし、いまは完全な状態になっています。あぁもう気分がいいw。

全面の部分もきれい

メンテしていただく際にご担当者さまに見ていただのですが、かなりきれいな状態ですね、と言っていただけたので嬉しかった。絞りのクリック感は元々よい状態でした。

マウント部も適度な状態

専用フードが付属、少し傷みあり

一緒にフードとキャップも付属しています。こちらは若干塗装に痛みがありました。

フード下部に腐食があります

フード塗装に腐食がありますが、それ以外はきれいで、円形に歪みがありませんでした。あとプラキャップの食いつきがよく外れにくいです。ただし普段はフードをつけずに使用しているため、あまり使用しません。フードが大きくかさばるため、43mmの普通のフィルターに非純正のフロントキャップをつけて使っています。

Kenko 52mm レンズフィルター MC プロテクター NEO レンズ保護用 日本製 725207

そういえばこのフードも前部のネジ切りがない専用フィルターしか設置できません。以前、この純正フィルター持っていたのですが、手放してしまいました。今はわりと入手困難ですね。とりあえず現状はいいかなと思っています。

作例と感想

毎度まえおきが長くて申し訳ないんですが、カメラ友達、というか友達自体がいないのでご勘弁ください(泣)。ほんとは語りたくてしょうがないんですよ・・別に泣いていません・・・。以下、M10での撮影と、最後に2枚だけフィルム(M6)のものを入れています(フィルムは自家現像)。

このレンズは230万台なので、60年代後半のものになりますが、作りもよくしっかりしている印象で、この個体も年代のわりに状態もよいです。以前所持していたものも同じくらいの年代のもので、多少傷はあれどタフな感じはしていました。

どこかでSummiluxまとめとかやろうと思っていますが、1stの貴婦人以外、2ndから現行APSHまで一通りいじったことがありまして・・その身からすると、この2ndが一番安定感があって好きです。最短が1mという欠点はあれど、スナップ向けであれば最短70cmを使うことはあまりありません。写りはSummilux特有のシャープさとか繊細さを十分持ち合わせつつ、微妙にオールド感を感じる瞬間があって、そこに惹かれます。例えば夕方の淡いオレンジ色の光とか、ちょっと暗くなったとこに差し込む光とか。普通に撮ればとてもシャープな高性能レンズですが、ふとした瞬間にシャープさと背景ボケが独特の空気感を表現します。確かに万能感では現行ASPHはデザインも含め最高ですけど、贅沢ですがきれいに写りすぎるときもあるし、フードの微妙なガタつきが気になる・・。あと一番はf2.8〜4あたりの星型の絞り、夜景でも絞りたいことはあるのでアレが嫌で・・・星型ボケはインダスターで十分かと・・。
古いレンズとはいえ現代のミラーレスで使用しても十分に高性能です。数十年前のレンズというのが信じがたい(しかも随分ロングセラー)。鏡筒の作り、塗装なども最近のものよりタフな感じがします。古いため多少の傷も様になるというのもいいかもしれません。少し話逸れますがASPHレンズの怖いところは修理、メンテがライカでしかできないので、ちょっとしたことで数万の出費を強いられるところ。もちろんお金持ち向きなカメラではあるので、それができなきゃ持つなって話なのは理解しつつも、そこをうまく運用したいのも人情かと。という感じで、色々と総合して考えるとなかなか手放しにくいレンズです。


【中古】 (ライカ) Leica ズミルックスM50/1.4(BK)【中古レンズ レンジファインダー用レンズ】 ランク:C
【中古】 (ライカ) Leica ズミルックス M50/1.4 2nd + フード12586【中古レンズ レンジファインダー用レンズ】 ランク:B



カラーネガフィルムの自家現像 Vol.3(薬品編その2)

※7/27追記
現像液「CNL-N1R」での試行錯誤を記事にしました。
カラーネガフィルムの自家現像Vol.4(失敗〜成功編)

とうとうVol.3までやってきました。薬品編その2と題していますが、やっと試すことができました、正規のカラーネガ用現像液「CNL-N1R」を。

以前のVol.1のとき、KodakのエクタカラーRAを使用しての現像について記載していました。これは現在かろうじて量販店で入手できるKodakの薬品です。他に「フレキシカラー」という薬品類があり、カラーネガ専用の薬品としてはこちらの方が正しいものになるのですが、こちらは量販店などで気軽に入手することができません。入手自体は卸し業者を通じてできますが、なかなか情報が少ないです。(過去記事は「Map」からもご覧いただけます)

で、私もこのフレキシカラーを入手しようとしたのですが、あまりに情報が少ないのでKodakさんに希釈とかどうすんすか?と問い合わせてみたところ、個人向けの薬品ではないこと、なので個人向けには卸していないこと(入手はできるんだけど正式にはという感じ)、強い薬品なので取り扱い注意、難しいことなどをあげて、辞めておけ、とのこと(もっと丁寧におっしゃっていただいていますが)。

まぁここで諦めるのもアレなので、カラーネガ現像液「CNL-N1R」を入手し対応してみることにしました。以前から名前は知っていたのですが、情報も少なく、面倒なので手を出していませんでした。ただコメントで指摘されたこともありますが、エクタカラーはあくまでペーパー向けの現像液であるため、どこまで正規の色になるかわからんと。それで、今回正規のネガ向け薬品で試してみようという話です。まぁフィルム写真は試行錯誤の趣味なので、ちょっとずつわかってくると楽しいものです。

今回入手した「CNL-N1R」

今回入手したのは、オリエンタルカラーさんが出しているフジCNL-N1R対応の薬品です。どうも薬品はフジ向けとKodak向けの大きく2種類あるようです。おそらくどっちを選べばよいのかはお好みで、ということなのでしょうか(厳密にはあると思いますが気にしない)。Kodak向けはフレキシカラーと同等製品な気がしています。

上記の3つが2本ずつ入っている

このフジ向けの薬品を選んだのは2つ理由がある。1つはかろうじて多少の情報があること。もう1つは価格が安いこと。Kodak向けは少し値段高いです。こちらは約5千円(送料込みで6千ちょい)。なかなかこのご時世、趣味に出せる値段としては高いですね・・。昔は3千円程度で薬品が入手できたようです。

製品と一緒にこちらが入っている

さすがに業務用の薬品だけあって説明書などはありません。ただ上記の紙が入っています。最低限親切かもしれません。今回、やはり希釈などの情報は得られなかったので、この紙に従って5リットルで作成することにしました。
ちなみに、薬品は5リットル分×2で10リットル分来るので、3つの薬品がもうワンセットあります。(A〜C各2本ずつある、計6袋の薬品)

10リットルタンクで薬品を作る

今回は「500ml作成でパートA液を××ml」といった感じではなく、5リットルいっきに作ります。家に新品の10リットルタンクが余っていたのでこれで作りました。(5リットルのタンク、近所のお店に見に行ったけどなくて・・)

10リットルタンク

タンクの周囲に油性マジックで5リットルはこのあたりと(目安だけ)目印つけたけど、そもそも計量カップで1リットルずつ図って入れている。

一応、手を保護したりして
A液からドボドボドボ・・・・

とりあえずタンクには先に、2、3リットルくらい水を入れておいて、そこへ各薬品をA、B、Cの順番に全部いれます。以下、5リットルの薬品を作りました。

残りの薬品は未開封でとっておく

上記のような感じで薬品を作成しました。

現像結果はどうなのか・・・

それで現像結果はどうなのか・・・ですが、最初スキャナーで読み込んで表示されるサムネイルみて「いままでとぜんぜん違うかも・・・」と思いました。ポイントは空の青がよく出ているなという点。

今回使ったレンズが若干オールドの球面Summilux 35mmだったので、その点で少し彩度が低めというのがありやなしや・・・。このあたりはレンズを変えて、現像本数を試してみないとわかりません。とりあえず出せそうな作例は以下(写真自体の良し悪しは目をつぶってもらえるとありがたい、毎回ですが・・)。

個人的には最初の1本が割と陰影が強めの写真を撮ったので、スキャンしたときサムネで驚きました(上記の後半の4枚がそう)。その後2本目〜を現像すると、少し粗めに出る写真もあったり、少し彩度が低いものもありました。それが現像をしくじったためか(少し分数変えたりしたため)、球面Summiluxばかり使っていたからか、少し経過を見る必要があるかなと思いました。
とはいえ、個人的な感想としてはペーパー用のエクタカラーでもある程度の精度の現像はできていたかなというのと、正規のネガ用現像液の方が少し色は強めに出るのかな・・という印象です。あとはレンズや現像手順のアップデートでどう変わるか。

常用していたSummilux 35mm ASPHの方で試したり(レンズの問題か見るため)、またはエクタカラーのときもそうですが、現像時に前浴や中間浴を結構やるのでそれで色が抜けている?とか、あとは定着漂白液をエクタカラーで代用しているのですが、その液もちょっと古くなりつつあるのでそのあたりが影響しているのか・・・。あとはフィルムはKodakのものを使っているのでそのあたりの影響とか(あまりフィルムの違いは影響しないらしいですが)。今後も試行錯誤して試していこうと思います。(一回水洗減らして、8分浴で試そうかな)

一応、現時点でのレシピをメモって起きます。

・現像液:オリエンタルカラー「CNL-N1R」5リットル作成
 (フィルム1本/250mlでの使用。5Lで20本現像想定。)

・漂白定着液:KODAK エクタカラーRA漂白定着液

現像を水温30度で8.5分〜9分でトライアル。漂白定着は6分程度。現像後は水洗とドライウェル後に乾燥。

Kodak コダック エクタカラー RA 漂白定着補充液