Leica M6 ブラック、ふたたび。

前回の投稿でライカM2を入手して、もうこれでいいと、俺はこれでやっていくんだと、周囲の人も(誰もいないけれども)そうだそうだ、もうM2でいいだろう!と、囃し立てるわけですが(誰もそんな人いないけれども)、俺はいったい何をやってるんだと・・・・

「Leica M6(ライカM6) ブラッククローム」を入手しました。

LEICA ライカ M6 クラシック ブラック 0.72 1988年 ドイツ製【中古】AB

人生で3台目のライカM6です。最初に手に入れたM型が同じブラッククロームのM6でしたので、原点回帰ということになるのでしょうか?(最初のM6ブラックの前にライカCLを持っていたのでそっちのが原点になるかもしれませんが・・)

私のライカM6遍歴

私のM6遍歴から語っていくとすると、2016年当時、どうしても欲しくてライカM6を購入しました。はじめてのM型ライカで、ブラッククロームのTTLモデル。SSダイヤルが大きめのものでした。元箱、取説、ストラップなど一式揃った状態で、ボディもスレといえば電池蓋のスレくらいのきれいなものでした。当時の相場が12万〜25万あたりで、20万を超えるものは新品保管品とか特殊な限定モデルくらい、その中で私は16万ほどで購入。当時の自分にはかなり大きい金額でした。

これが今では40万前後になってしまったのは驚きです。当時から実用重視でしたので手に入れたものはどんどん使うようにしており、当時はライカレンズまでは買えずフォクトレンダーの35mmで近所を撮り歩いていました。この頃が一番楽しかったかもしれない。まだ自家現像もはじめていませんでしたが、フィルムも今ほど高くなく、現像も店舗に出しても即日対応で500、600円くらいでしたので安くできた。大事に使っていたのですが、妻と一緒に住み始めた頃で、色々な出費が重なり泣く泣く放出してしまいました。一方でそこからどんどんとライカ沼へ落ちていくことに。唯一、ズミクロンの3rdを入手して、岐阜、名古屋に旅行に持っていけたので、その時の写真は大切な思い出です。

そして2台目のライカM6は、少し間があいて2020年辺りにシルバーボディのものを入手しました。当時すでにM6は高騰しており、相場はだいたい30万円前後。まだぎりぎり「ライカMP」が30万円台後半〜40前半くらいで入手できる頃で、M6を買うくらいならがんばってMPいった方が・・・という感覚もありましたが、その直後にMPが高騰して40後半〜50万円台になり、高嶺の花になってしまいました。M6の相場も25〜30前半あたりで推移しており、流石にもう手に入れるのは無理かなと思っていたのですが、なぜかMintコンディションのM6シルバーをジャスト20万で入手することができました。ボディには傷ひとつない状態、しいて言えば巻き上げの上に少しスレがある程度。裏蓋の塗装なども新品かと思う状態のものでした(それより前にライカM-Aのシルバーを所持していたのですが、それと比べても遜色ない状態でした)。コレクターの放出品をうまく拾った感じですが、その代わり元箱などの備品はなし、ボディのみという一品。

このシルバーM6は美品でしたが、実用重視ですので普通に使用していました。操作性もとてもよく、手触りもいいし、最高でした。当時は同時にライカM4も所持しており、贅沢に2台使いでした。京都、大阪へも旅行に行き、当時コロナ全盛で人のいない伏見稲荷など珍しい状況も撮ることができました。しかしある時、M6、M4の2台が同じタイミングで故障しました。M6はシャッター幕の後幕が遅延するような感じで撮影結果に影が写るようになりました。おそらくコレクション品であったことから油切れしてしまっていたものと思います。それと撮影に影響ない部分で、ブライトフレームがうまく切り替わらない状態になりました(これも油切れ)。

M4はよくあるシャッター幕の抜けで動作不能に・・・。仕方なく同時にOHへ出したのですが、すでにフィルムカメラ全体が高騰しており、転売なども盛んだったため、修理業者の納期も非常に長くなっていました。ある業者から4ヶ月〜5ヶ月と言われました。そのため納期を考慮して別々の業者に修理を依頼(いずれも納期2ヶ月ほど)。かかった値段・・・2台で17万6千円・・・当時の相場でライカM4がもう1台買える・・・(現在はM4も20万前後になってしまいました)。そのためいずれかを手放す判断をしなければならなくなり、M6シルバーを即放出。当時はライカM4の方が完全機械式ということで魅力を感じていました。しかし、同時期に家庭でもいろいろあり・・・結果的にはライカM4も手放すことになりました。諦めきれずにライカCLなどを手に入れしばらくはそれで撮影していました。

ちなみにM6のOHは6万円~で対応できました。特に部品交換が発生しなかったためです。一方でライカM4は古い上にもともと並品を使っていたため、幕交換、内部部品の交換、フランジバック調整が入り、11万。なかなかパンチのある金額です。(いずれも有名な業者さんに依頼したので、調子は最高の状態になりましたが。M4の60秒のシャッター音など「コリンッ」という心地よい音に・・)

原点回帰のライカM6ブラック

今回入手したのは、いろいろなものをごにょごにょした結果、行けると思ったので一括で支払い入手しました。ご安心いただきたいw。まず資金繰りの話から入るのもナンですがw。

Leica M6 + Nokton 50mm f1.2

いろいろ物色しましたが、ライカM6高くなりました。もう基本が30万オーバー、一部フリマサイトで出品者が負けに負けて20万円台後半があるかどうか。店舗販売でも20万円台はかなり外観に痛みがあるとか、なかなか手を出しづらい物が多い印象です。だいたいが35万〜40万という感じでしょうか。ライカM6はあまり骨董品という感じがしないので、M3〜M4などの元値を超えてのプレミアムは個人的には感じない。逆に実用品としてガンガン使うのが本質かなと。

入手したライカM6 ブラック、個人的には現在の価値を考慮すると状態と値段で一定の妥当性を感じる値段で、非常に適度なものを手に入れたと思っています。シリアル的にも割と新しい90年代後半のもので、各所を整備済、ということで少し安心です。備品などはなく純正ストラップ1点のみ(あとボデイキャップ)。外観も傷も少なく、塗装浮きもないですし、電池ボックスの蓋が少し擦れている程度でとてもきれいだと思いました。過去のM6もそうなのですが、個人的にM6を選ぶ際の基準は200万台以降の90年台のものにしています。また最初のM6ブラックはTTLでしたが、それ以降は通常版を選ぶようにしています。TTLは整備を断る業者もいるためです。また発売が84年なので、90年代のものであれば10年も差があり、メーターの劣化などを考慮すると、少しでも年代の新しいものを選択した方がいいという考えです。それと、最近ライカM6の復刻で話題ですが、LEITZロゴについて。初期モデルの赤バッチがLEITZになっているものも魅力ではありますが、私は実用派なため、ロマンではあまりお金を出さない。このあたりはM6の初期ですとファインダーのハレーションが、とか光線漏れがといった噂もありましたし、最近見かけるLEITZロゴのボディはだいたい整備入っていることから、劣化が怖いなと考えています。整備済みなら実用には大丈夫だと思いますが。

Leica M6 裏側

ということで久々にライカM6に触れると、やっぱり使い心地がいいなと思いました。これは売れるわ。M4などを使っていたときメーターは外付けでしたが、実は撮影には外付けの方がいい場合と、ファインダー覗いて確認できた方がいい場合があり、一長一短ですが、やっぱりメーターが入っていた方がかさばらないし、さっと撮影できて気持ちがいいです。実は少し前までライカMPを使っていた自分としても、やはりMPは気を使う感じがしてライカM6の方が振り回せる気がしています。MPは塗装がはげるまで自分で使い込めたら最高ですけどね。

次の目的地は

自分のライカ人生も終盤に来ています。正直、家庭でもいろいろあるのでいつまでこのM6を維持できるかもわからない・・・。ただ最近いろいろ考えて、できればこれは手放したくないなと考えています。逆にデジタルの方が持て余していたりするので、もしかするともしかするかもしれません。毎回いっていますが、家庭の事情もあるので、そろそろライカにこだわるのは難しいかなと思っています。しばらくはM6を手放す予定はないので、いまはモノクロメインになりましたが、撮影をたくさんして、たまにはプリントしないとと考えています。そのうち、プリント機材とか、作業プロセスなどにも触れていきたいと考えています。せっかくLEITZのValoy IIなど暗室機材もいくつか所持しているので、そのあたりもご紹介できればと。

LEICA ライカ M6 クラシック ブラック 0.72 1988年 ドイツ製【中古】AB
フジフィルム FUJINAR-E 7.5cm F4.5 + FUJINON-E 50mm F3.5 引き伸ばし機 レンズ 暗室用品 【中古】

ライカM6、再び。まだ旅は終わらない。

以前の投稿で書きましたが、以前ライカM6を所有していました。そのM6はブラックで、元箱も一式揃っており、状態もまずまずのものでした。あとTTL版でした。
すでに書いたように、不意の事故で(笑)数年前に手放してしまっており、そのあと紆余曲折はあったものの、デジタルのライカM10と、フィルムのライカM4に落ち着いていました。

そこでだ・・・
「Leica M6(ライカM6 Non-ttl)シルバー」をMy new gearしました。

【中古】 (ライカ) Leica M6 TTL0.85 ブラック【中古カメラ レンジファインダー】 ランク:AB

え、え?なんで?・・と。僕もそう思います・・・。
なんででしょうね?これがいわゆるライカ病の怖いところなんだと思いますが、たまたまいくつかの商品を見ていたら急にほしくなって、たまたま状態の良さそうなものが適度な値段でみつかり、気づいたら手元に・・・。
そうですよ、わかっていますよ、ぜんぜんM4で事足りてたし、露出計だってVoigtlanderの外付けを載せてて、ある程度の適正露出の写真は撮れていて、M4自体の精度もよかったから低速から高速までシャッタースピードもまったく問題ない、ファインダーだってきれいだし、2重像も明確。なんの問題もない。今どきレンジファインダーでフィルム写真やろうって奴が、マニュアルフォーカスがダルいとも思わないし、外付け露出計いじってからフォーカシングするのが多少手間とはいえ、いまさらその程度のこと・・・。そう、別にライカM4で事足りてたんです・・。なにやってんだろう・・・。先月までの大きな支払いが終わったから少し気が抜けていたのだろうか・・・。

さて、ライカM6ですが、久しぶりに触りましたがやはり良いです。このデザイン、使い勝手。まず手にして驚いたのがその状態。ほとんどMintです。使用感はゼロではないものの、印象としては2、3度外に持ち出してみて、あとは自室で眺めていたといった感じ(まぁこの機械を置き物にしてしまうことがいいか悪いはともかく)。底部のシールもピカピカでさっき開封したかのよう。シルバーの外装も開封後、間もない雰囲気を残している。大きなスレ、打痕はなし。サイドのプラにストラップ傷もない。吊金具も削れはなく、かすかに痕跡がある程度。内部にいたってもホコリも最小限、傷もなし。シャッター幕に多少色ムラがあるけど、おそらく経年で幕のゴムが多少変色したものなので実用に影響なし。その他電池室、巻き上げレバーも無傷。という感じでミントな状態です。お値段が安かった理由は元箱、取説などが一式ついていないためかな(”地図”なんかだとぜんぜんそんな割引ないんだけどねw)。付属は純正のストラップのみ。マウントキャップは非純正のものが付属。それにしてもきれいだ・・・。

製造年は1997年とのこと。20年以上たっていてこの状態は確かにある意味「使いづらい」。だが、私はさっそくロゴとネームにテープを貼ってしまう(笑)。使うために入手したのだ。(←4月後半しかもすでにテープ痕をびびって剥がしているという・・・笑)そのため今回は付属品のあるなしはどうでもよかった。好みを言えば、多くの人と同様にブラックを選択したかったが、今回はシルバーのM6を選択した。なぜなら、今メインで使用しているM4からすり替わっても、カメラにまったく興味がない妻にバレないからだ(笑)。ロゴはシルバーのマスキングテープでうまく隠してあるが、軍艦部の文字がないのでそこが怖いw。そもそもデジタルのM-PがM10にすり替わっていて今のところバレていない。条件は同じである。

もう少し質感に触れます。私は以前、最新のフィルム機、ライカM-Aを所持していました。それは外装もきれいで質感がとてもよかったです。あらためてミント状態のM6をみてみると、素材の多少の違いはあれど、質感の方向性は同じと感じました。個人的に形や作りが好きな本体裏側のバックドアのあたり、革の感じ、裏蓋の枠のマッドな金属の感じなど、触っていて心地よい(心地よいがゆえにケースをつけて普段は触れないという変態性も併せ持っています・・)。露出計のないM型をいくつか使用してきて、ある程度、露出の感じはつかめてるし、別にM6やMPは必要ないよな・・と口では言いながら、心の底ではどこかでライカMPを手に入れる機会を伺っていたところが正直あります。MPは値段的になかなか手が届かない・・。逆にM-Aを入手したとき思い切ってMPに行っていればよかったのかもしれない。まぁいろいろ考えます。以前持ってたし、いまさらM6なんて、と考えて、なるべく物欲に火がつかないように抑えていました。今回状態のよいM6を手に入れてみると、ほぼライカMPじゃんという感じで非常に満足です。

ファインダーについて触れると、以前のM6 TTLは赤い露出の三角の間に「丸」があって、適正だとその丸が表示されるのですが、Non-ttlだと丸は表示されず、ファインダーの左右に三角が表示されたときが適正露出。このあたりは過去からいくつかのレビュー記事など読んでいて、多少違いがあるんだなくらいに思っていました。
露出計の使い勝手で1つあるとすれば、これまでVoigtlanderの外付けVCメーターIIでしばらく運用していたので、街中で撮影する際、カメラを向けて露出だけ確認してノーファインダーで撮影するといった方法が取れなくなりました。ちゃんとファインダーを覗いて撮影しないといけない。最近街中での撮影は神経を使うのであまり「撮ってます」感ださない方法がとりにくいですね。
ちなみにM6名物のハレーションについて。この機体はファインダー内も当然きれいな状態ですが、例の・・ハレーションにより二重像が多少見ずらいという傾向がこの機体にもある気がしています。通常使用ではまったく問題ないですがたまに見ずらいなと思うときはある感じですね。(誰かが言ってた裏技で採光窓の真ん中に四角く切った黒いマステープを貼りました。効果のほどは正直わからん・・)

あとシャッターについて。手持ちのM4は動作にまったく問題ない機体ですが、それと比べて同じようなフィーリングだと思います。体感スピードとかそのあたりですね。シャッター音はM4より若干、(悪い意味じゃなくて)曇って聞こえるため少し小さいと思います。ここはM-Aに近い感じがしました。このライカM6がミント状態だからM-Aに近いのか、M4は流石に50年選手だから多少異なるのか、いろいろ同時にお持ちの方は比べられるのでしょうが、正確にいうのは難しいように思います。M4のパシャっという音も非常に心地いいですし。みなさんがよく気にする、状態のよいM型はどういうシャッター音なのか?使用感なのか?という点では、M-Aを基準にすると、このM6のシャッター音、フィーリングからかなり調子のよいものだと判断できます。以前所有のブラックM6の記憶は薄れてしまってますが、その後、M2、M4、MAと触れてみて、調子のいいM型はこんな感じかなというのがなんとなくわってきました(天下のM3は触ったことないですがおそらく同じようなものかなと・・)。と、ここまで書いても伝わりづらい気がします・・・。自分の中では「チャッ」と「シャッ」の間の音に、薄いベールをかけたような音と感触が調子のよいM型のシャッター音だと認識しているのですが・・(笑)。

というわけでまだまだ旅は続きそうです(笑)。そろそろ過去に使ったレンズなどの感想も書きたいのですが、いちいち写真を選り分けて載せるのが面倒で取りかかれていません。手元のライカM4どうしようか迷っています。先日、風の強い日に使っていたら2重像のとこに細い線状のゴミが入り萎えています。それ以外の使用感は最高です。どっかでメンテに出したいと思っていますが、いまは余裕ないですね。
そうそう、先日はじめてリバーサルフィルムのエクタクローム買ったので試してみたいな(昔、1回だけFUJIのリバーサル使ったことあるけど、みずみずしい印象だったし)。

(4/25追記)以下にトライアルとして動画をアップしてみました。

ライカM6 フィルム装填