そして、ライカM10にたどりつく。

これを先に書いてから他のカメラについて書こうと思っています。昨年秋に「Leica M10(ライカM10)」を入手しました。

ライカ M10モノクローム

タイトルいつも迷うんですが、「なんたらかんたらでライカM10レビュー」とか書いてしまうとレビューしなきゃいけないので面倒だしw。志(こころざし)が低いです。
レビューでもないし。よく、レビューブログとかで「買った理由」とか書くけど、必要性に迫られて買うようなものでもないし、そんなもん欲しいからでいいじゃん、とか思ってしまう。おまえら正直になれよ。あぁ、なんか今日は口が悪いです・・・。

M10+Summilux 35mm f1.4(Non-fle)

以前、Leica MA Typ127のところで少し書いたのですが、昨年秋に旅行に行ったときまではデジタルのライカM-Pを使っていました。その後の紆余曲折を経て、ライカM10に辿りつきました。たまたま相場よりリーズナブルなものがでており、ギリギリで手に入れた感じです。さすがに新品級というわけにもいかず、多少すり傷もあり、使用感のあるUSEDです。とはいえ、動作は問題なく、特に違和感は感じませんでした。傷があるぶん、思い切って使えるなとも思います。

スペックや機能などはもうすでに語り尽くされているわけですが、やはりボディの薄さと高感度耐性に尽きるかと思います。デジタルMからの乗り換えだったため持ったときの薄さはたしかに感じました。あと意外な軽さ。軽さといってもライカMと比べて20gしか軽くなっていません(M:680g、M10:660g)。それでも「あれ、軽いな・・?」と。体感的な錯覚だとしても、それは当然歓迎される点だと思います。
ボディの薄さに関してはよく語られますが、どこで誰に聞いても出てくる「手に馴染むサイズになって最高」とか、フィルムMとほぼ同サイズになって「フィルム機からの持ち替えにも違和感がなく」とかのフレーズがやや疑問な人なので(笑)、そこはあまり考えたこと有りません。当然、デジMからの持ち替えなので薄さは体感できるけど、どちらもいまだに重いです。ある程度の厚みがあった方が持ちやすい場合もありますし。違和感とか言われても、デジだろうがフィルム機だろうがあんな金属の重い塊を手に持ったり、首にぶら下げたりして違和感もクソも違和感だらけだろうと・・・あら、いけない、今日はいつになくお口が悪くてよ・・・。

とまぁ、手に入れたのですが、外観の使用感もあるのでケースなしで使おうかなと思っていましたが、やっぱり気になるのでケースも購入。かゆいところを的確にかいてくれるアルティザン&アーティストさんのものを選択。以前のライカM-PのときもLeica純正のものから、途中でA&Aに切り替えています。取り外しのボタンの部分やストラップ箇所の位置、サイズなど、とても考えられていて毎回驚きます(フィルム機のライカM4も同じA&Aさんの革ケースでそろえています、フィルム機向けのこのケースは柔らかく手触りよくて、ほんとに大好きです)。

ARTISAN&ARTISTライカM10専用ボディケース LMB-M10 BLK
LMB-234 アルティザン&アーティスト ARTISAN&ARTIST

ライカM10の使用感ですが、それはライカM-Pと同様に気持ちよく使えています。ノーマルのM10であるため、シャッター音はM10-Pよりは、ちょっと甲高い音がしていますが、外での撮影時はあまり気になりません(店頭で触りましたがM10-Pはほんと静かですね)。もともと使っていたライカM-Pも「P」バージョンなだけに静かなシャッター音でした。このあたりは「P」モデルがうらやましい(馬骨ではないですがw、音楽ファンでないとなんのことやら・・)。
あとはモニターで設定するメニューの表示、配置が使いやすくなっています。これは地味にうれしいところ。多少配置のカスタマイズもできるため、よく使う設定を前によせることも可能です。一方でカラー、モノクロを切り替えるところが少しだけ直感的でなくなった気がします。またライカM-Pのメニューにあったカラー撮影モードもなくなっており、そこは少し寂しい点でした。とはいえあまり凝った撮影モードは使わないことが多いので、そこは特に問題なし。

撮影される写真の印象ですが、ライカMが絵画的と表現されたり、ライカM10はライカM9の流れを汲む印象と言われたりしています。確かにM-P(Typ240)で撮影した写真は濃厚な陰影がつくことが多く個人的にもハマっていたところ。一方でライカM10は少し明るくさっぱりした印象です。独特な色になると言われるM9をベースにうまく調整されているといった感じ。M9ほどクセがなく(M9使ったことないですけどね・・他の方の作例みると・・)、カラーでの発色がクリアになったよう思います。カラーもモノクロもさらっと明るい感じかなと思います。とはいえ、光量がうまくハマったときの色や陰影はとてもライカらしく深みがあり、そこは他と比べてどう?という点ではありません。とても陰影が心地よひ・・・。ここにハマってしまうと、地獄のライカ沼からは抜けられなくなります。
ただし私の扱いが下手なのか(おそらくそうですが)、以前のM-Pよりは失敗が増えた気がします。明るめなため光の加減を考慮しないと、私が好む渋い陰影が撮れない。おそらくそこは光量や撮る対象、または構図、対象への光のあたり方など、私がコツをつかまないといけない点だなと思います。M-Pはあの独特の陰影で、何も考えていない自分をうまく補ってくれていたような気がします。まぁあとはレンズによるのかなと思います。現時点では現行のSummilux 50mm asphなどを使用していて、非常にシャープかつ深みのある絵も撮れていますが、基本的にはシャープで明るい、でもライカ的な絵が撮れるなという感じ。
高感度耐性はよく言われるように、ISO6400くらいまでは使えるかなという感じ。夜道での撮影でもとりあえずきれいに写るようになったのはとてもよかったです。以前のM-Pでも自分はISO2500くらいまでは使っていましたが、ISO3200あたりだと画像の荒れは多少感じました。あまり夜間撮影する機材でもありませんが、いざという時の安心感は大切で、夜間、室内問わず使える場面が増えるのはよい点ですね。あれ、意外とレビューしてるね。

あとはまったくライカM10本体には関係ないことですが、最近フィルム熱が上がってしまい、フィルム機を扱うことが多くなりました。これは自覚してるのですが、時期によってフィルム撮影が楽しい時期と、デジタルが楽しい時期があります。それにしても最近ライカM10の出番が減っています(笑)。フィルム機、ライカM4ですが、こちらの方が「撮影している」感じが強く、いちいち露出、SSなど設定して撮影するのが面倒ではあるけれど、撮影のフィーリングが気持ちいいんですよね。それに最近、フィルムはカラーもモノクロも自家現像をしていて、そのコツがつかめてきたのでそっちが楽しくなってしまっています。ライカM10を持ち出しても、一度もバックから出さないこともあります。もちろんライカM10を手放すつもりはありません。性能的にも最高ですし、持ち歩くにもほどよいサイズだと思います。
最近Summilux 35mm/f1.4 asphを入手したので(←え?w)、今度は35mmをメインにしてM10で撮影するのが楽しみです。
(従来の設定はデジタルは50mm、フィルムが35mmで使うことが多かったので)

とりあえずライカボディに関しては、今はここで打ち止めになっています。正直、全部手放して「ライカQ2」でまとめてしまおうか、と考えたこともあるのですが、レンズ交換式の魅力も捨てきれず・・・。自分のライフステージ的には、いまが限度かなと思っています。とりあえず遊べるうちに楽しもうと思います。


海外旅行への写真フィルムの持ち出しについて(インドネシア編)

書きたい内容がたくさんあるのですが、このあたりでこれに触れておかねば期を逃すかな・・・と思われる話題(期ってなんだ)。

海外旅行での写真フィルム撮影、写真フィルムの持ち出しについて。

インドネシア編とかいっといて、別の編はあるのかないのか(うん十年ぶりにパスポートとったので)。

ちょっと前にどなたかのTwitterでお見かけして自分も気になったのですが、世相を反映してか、海外の空港でのX線装置が強化されているとのこと。昔の装置であれば数回程度のX線通過で写真フィルムが駄目になるということはなかったそうですが、最新の装置では一発アウトになる可能性があるとか・・。フィルムの紙の外箱には多少のX線は大丈夫と書かれていたりもするのですが、昔から書いてあったようにも思うので、今は基本NGと考えておいた方がいいのかなと思います(現行フィルムもあるわけですし、文化に対してセキュリティとのジレンマかなと・・・)。フィルム写真が趣味でない方からはデジタルでいいじゃんって言われそうですが・・・そうじゃない、そうじゃないんだよ・・・。
空港職員のハンドチェックを断られることも増えたといったエピソードも聞くようになりました。もちろん人や国、情勢によりますが。

フィルムカメラ持ってインドネシア、バリへ

さて本題。私は2019年8月にインドネシア、バリへでかけました。フィルム約15本とライカM4を持っていきました。またデジタルはライカM-P(typ240)を持参しました。本記事では写真フィルムを持って海外へ行ったときのエピソードを記載いたします。ちなみにレンズは Summilux 50mm asph、Summicron 35mm(7枚玉) を使用しました。レンズの詳細も後日書こうかなと思いつつ、ボディの話を先に書く予定です。

created by Rinker
¥532,950 (2024/12/04 13:39:12時点 楽天市場調べ-詳細)

また持ち込んだフィルムは以下にあげたものになります。Kodak Proimage100、Kodak Ektar100、ILFORD DELTA100、富士フイルム ネオパン 100 ACROS、オリエンタル NEW SEAGAL 100。個人的には Proimage100 好きなんですよね。

<出国時>
・出発:羽田空港(東京)
・経由地:クアラ・ルンプール国際空港(マレーシア)
・到着:デンパサール国際空港(インドネシア、バリ州)

<帰国時>
・出発:デンパサール国際空港(インドネシア、バリ州)
・到着:成田空港(東京)

行きがマレーシアでのトランジットがあり、その分、多くの関門を突破しなければなりませんでした。事前に想定していたイメージとしては、羽田、成田は国内であるため、行きも帰りもおそらくハンドチェックで問題なかろうということ。ここは結果的に想定通りでした。そして気をつけるべきは海外空港の手荷物検査。

といっても特に特殊なことはなくて、とにかくフィルムは手荷物に含めるということと、空港職員にハンドチェックを依頼する、という2点が中心です。しかし、相手の空港職員がこちらの言うことを聞いてくれるかどうかはその時次第。アンコントローラブルな部分となりますが、うまくコミュニケーションすればある程度対応してくれそうです。

空港で私が対応したこと

まずは搭乗時。手元に持って搭乗する「手荷物」にフィルムを含めます。航空会社により持ち込める手荷物のサイズ、重量に制限があるため注意が必要かもしれません(フィルム程度ならそこまでかさばりませんが・・)。
預け荷物にしてしまうと、航空機への積荷する際に、より強力なX線を通されてしまうためフィルムが駄目になる可能性が高くなるとのことでした。

事前準備として行ったのは、料理用のジッパーのついたビニール袋を用意し、写真フィルムをプラケースから出した状態で入れることでした。フィルムの海外持ち出しで調べると、プラケースに入れたままだと検査時に1つ1つプラケースを明けてチェックされるので時間がかかる、という内容が散見されました。空港職員も手間かかると面倒がってX線を通されてしまいかねないので、あえてプラケースから出して入れました。フィルムにゴミがとか、空気に触れてしまうとかありますが、X線よりはマシだと割り切りました。また相手も明らかに中身が見えているものまでは、パッとみて理解すればそのまま通してくれるのでは、と想定しました。結果的にそれは当たっていたように思います。


Kodak カラーネガフィルム ProImage 100 35mm 36枚撮り 5本パック

では実際の検査時、検査ゲート前に並び、ベルトコンベアに荷物をおいていくわけですが、並んでいる間に声をかけるべき職員めぼしをつけました。手前側に職員がおらずゲートの奥にいる場合もありましたが、手前にいる場合は事前に声をかけてフィルム袋を渡して説明しました。奥にいる場合は声をかけるタイミングを待ちました。

フィルム袋にはあらかじめ大きめな紙のシールを貼っておき(付箋のようなシール)、そこに英語と現地語(このときはインドネシア語)で「Hand inspection, please」とマジックで書いておきました。袋を渡すときも口頭で「Hand check please」と伝えました(検査はinspectionが正しいのですが、口頭ではCheckという言い方でもよいのではと思います)。ただ袋を手渡してみると、一瞬怪訝そうな顔で袋を眺めるのですが、文字を読んでる感じはなく、わかってる人はOKOK的な感じのリアクション。よくわかってない人は怪訝な顔で奥の上司?他の職員にみせて何か確認した上でゲートの向こう側にもっていって、検査後に渡してくれました。

袋詰めにしたフィルム

結果的に、今回の旅では、一度もフィルムはX線を通さずに通過することができました。
ただしちょっと注意が必要だったのは、経由地のクアラ・ルンプール国際空港の入国時と出国時。最初、ハンドチェックプリーズということで渡したのですが、大丈夫大丈夫というようなリアクションで、そのままベルトに載せろといわれました。ここは一応粘ってもう1度言うと、渋々目視でチェックしてゲートの奥まで持っていきました(そこで別の上長らしき人が再度、袋の中身をちょこちょこ見ていました)。ゲート通過後、声をかけるとさっと渡してくれました。
また、もう一回ゲート通るときは、口頭で言って手渡したのですが、無言でそのままベルトコンベアに袋を戻されました。直前で嫁が気づいて職員に強めに「ハンドチェック!」といったら受け取ってX線を通さずにすみました。特に感情的なコミュニケーションはなく、相手も終始無表情ですし、こっちも普通に何度か言えば伝わる、という感じでした。
こういう場合、2、3度言って向こうが頑なにX線通せといったときはあきらめて従うことにした方がよさそうです。あまり変な態度を取ると別室に連れて行かれて詳しく検査される場合もあるようです。国により情勢が異なるため難しい点かもしれません。観光客が多い国では、政情が不安定でない限り、おそらくフィルムの持ち込み程度は問題ないのではと思いました(あとは空港職員による・・・)。
ちなみに、インドネシア(デンパサール国際空港)では、入国時も出国時もわりとスムーズでした。フィルム袋を渡してちらっとみるとすぐOK出ました。たまたまかもしれませんが、そこまで気にしてる感じはありませんでした(経由地からの便は、そもそも経由地でチェック受けてるはずなので、それで安心しているのかもしれません・・・あまり海外経験ないのでわかりませんが・・)。

以下、バリの現地で撮った写真ですが、現像上がってきたとき、「勝ったな」と思いましたw。空の青がきれいにでてる、それだけでもいい思い出になりました。